住宅ローンが共有名義になっている夫婦注目!離婚の際の注意点を解説します!

離婚を考えている夫婦の間で問題になりがちなのが、住宅ローン問題です。
住宅を購入する際に夫婦での共有名義にしていた場合、離婚後にどちらが財産として物件を獲得するかが論点になってきます。
今回は、離婚時に共有名義の住宅ローンを分割される方のために、その注意点を紹介します。

離婚時に共有名義を継続する問題点について

□離婚時に共有名義を継続する問題点について

夫婦の共有名義で住宅ローンを組んでいる場合、離婚後にいくつかの問題が生じます。
1つ目に、相手の了解がないと物件を売却したり、貸出したりできないことです。
離婚した後も物件を共有した状態であると、物件を活用しようとするたびに相手の同意を得る必要があります。

もし相手の承諾が得られない場合、その不動産は売却したり貸し出したりすることはできません。
離婚後は、離婚した相手と極力関わりを持ちたくないと考える方がいらっしゃるため、お互いの意見の相違はトラブルを招くきっかけになってしまいます。
2つ目に、さらなる関係の複雑化を招いてしまう可能性があることです。
例えば、共有名義でローンを組んでいた元夫が他界した場合、元夫の所有していた名義は遺族が相続します。
そうなると物件を売りに出そうにも、元夫の名義を相続した遺族に同意を得なければなりません。
予期せぬところで元夫側の家族との関係が続いてしまう原因にもなりかねません。
3つ目に、不動産をめぐって裁判や訴訟になる可能性があることです。
夫婦間の話し合いによって解決しなかった場合、裁判所の調停委員が仲介役となり協議を進めます。
裁判所の調停委員が仲介して行う協議は、「共有分割調停」と呼ばれます。
共有分割調停では調停委員が仲介役を務めるため、相手と直接話し合って協議する必要はありません。
また、調停委員が客観的な和解策を提案してくれるため、相手との合意の可能性も高まります。
共有分割調停で相手との協議が上手くいかない場合は、「共有物分割訴訟」という裁判に発展します。
この裁判では、裁判官に対して共有物を分割することを求めます。
共有物の分割の仕方は以下の3つです。
1つ目は、「現物分割」です。
この分割方法では、共有不動産自体を分割します。
2つ目は、「価格賠償」です。
相手の持分に対して、お金を払って買い取る方法です。
3つ目は、「換価分割」です。
不動産を売却し、そこで得たお金を分けます。
現物分割と、価格賠償で両者の同意が得られない場合、裁判所は換価分割を判決とします。
この場合、不動産の売却を望んでいなかったとしても強制的に売却されてしまいます。

□共有名義の変更方法について

共有名義の変更方法はいくつかありますが、返済名義人をどちらかの名義に変更する方法はわかりやすく誤解が生じにくいです。
共有名義の場合、ローンの返済は共有名義に加入している人物全員が行います。
しかし、どちらか一方をローン返済の単独名義にすることにより、もう一方の持分を財産付与できます。
この場合、財産付与した側は物件に対する所有権を失いますが、ローンの返済責任は単独名義人のみに発生します

□離婚時に家を売却する注意点について

離婚して家を売却する際には、主に2つの注意点があります。
まず1つ目は、子どもの養育費と住宅ローンです。
未成年の子どもがいる夫婦での離婚には、養育費問題が必ずと言って良いほど付き纏ってきます。
住宅ローンの返済と子どもの養育費の同時支払いは決して容易なことではありません。

一般的に、子どもが住む住宅の住宅ローン返済は、養育費に含まれません。
例えば、離婚して夫が子どもを引き取り、住宅ローンの返済と養育費を支払うとします。
夫が支払う養育費の中には、子どもが住む住宅のローンの金額は含まれないため、夫は妻よりも負担が大きくなります。

そのため、夫が返済する住宅ローンの額面を減額するなどの措置を取らなければ、離婚後に子どもの養育費と住宅ローンの返済をめぐって対立が起きる可能性が高まります。

ローンの残高と子どもの養育費にどれだけのお金を要するのかしっかりと見積もったうえで、離婚後にどちらが多く負担するかなど話し合う必要があります。
養育費と住宅ローン問題のみならず、その他の離婚後の問題を増やさないために公的証書を活用することをおすすめします。
離婚する際に、子どもの養育費や財産分与、慰謝料などの約束を交わす場合には具体的な金額を明記した「離婚協議書」を作成し、公正証書として保存しておかなければなりません。
公正証書を発行するには公証役場に行き、額面に応じた手数料を支払った上で、公証人に作成してもらう必要があります。
公正証書を作成しておけば、相手が返済などの約束を守らなかった場合に、訴訟を起こさずに強制執行できます。
訴訟が起こったとしても公的な文書であるため、裁判では重要な証拠として扱われます。
2つ目は、共有名義で購入した住宅を、売却せず放置しておくことです。
前述した通り、離婚した後も共有名義で住宅を所有している場合、どちらかが売却したくなっても相手の承諾を得る必要があります。
共有名義が解消されないまま名義主が亡くなると、その名義が遺族に相続されるため名義人が増える可能性があります。
その場合、物件を活用しようとするたびに、相続した名義人全てに合意を得なければならなくなります。

離婚時に家を売却する注意点について

□まとめ

今回は離婚時の共有名義で購入された住宅ローンの注意点を紹介してきました。

上記のような望まない対立を防ぐためにも、離婚する際の財産の分割は両者が合意した上でしっかり行わなくてはなりません。
熊本市周辺でお困りの方は、今回の記事の内容をぜひ、参考にしてみてくださいね。

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