近年、日本では離婚率が増えており、離婚が身近なものになっています。
現在、離婚を検討している方や離婚協議中の方も少なくないはずです。
そこで今回は、離婚する際にマンションを売却しない場合のリスクと売却する際の注意点、マンションを売却する際にかかる税金と諸費用についてご紹介します。
□マンションを売却しない場合のリスクとは?
離婚後もそのマンションを残しておくことは大きなリスクを背負うことになります。
マンションの維持費がかかるだけでなく、トラブルの原因になることもあります。
ここではマンションを売却しない場合のリスクとトラブルの事例についてご紹介します。
*売却ができなくなるリスクがある
不動産を売却する際には名義本人の売却の意思が確認される必要があります。
もし夫と妻の共有名義のマンションに妻と子供が残る場合、マンションを売却したいと思い立ったときに夫とコンタクトが取れる保証はありません。
コンタクトが取れなければ売却は難しいです。
過去の事例として会社を立ち上げた夫が失踪してしまい、結果的に妻や夫の母親にローンが請求されたということがあります。
このケースでは、結果的に夫とはコンタクトが取れず、マンションを売却できませんでした。
*名義人がローンを払わなくなる
不動産の名義に比べて、ローンの名義人は変更が難しいです。
ローン名義が夫、連帯保証人が妻というケースが多くあります。
この場合夫が支払いをやめてしまえば、連帯保証人に返済の命令が通知されます。
ローンの滞納は名義人でない人や離婚した夫婦で気づくことは難しいです。
金融機関からの返済命令では一括返済を要求されることもあります。
過去の事例として、離婚して10年後に元夫が支払えなくなったローンの催促状が届いたということがあります。
この場合、この方は連帯保証人だったため、ローンを返済しなければいけません。
□離婚でマンションを売却するときの注意すべきポイント
ここでは離婚時に不動産を売却することの注意点について説明します。
1つ目は、売却は早めに行うということです。
離婚時の不動産売却は時期が大切です。
基本的には離婚後に売却を行うのがおすすめです。
離婚前に売却を行って財産を分けると贈与と認識され、贈与税が生じます。
また離婚は大きなストレスがかかってしまうので、離婚に関する問題が解決した後で、話を進めることで精神的な負担が減ります。
これらのポイントから離婚後でなるべく早い段階で売却を行うことが理想的と言えるでしょう。
2つ目は、オーバーローンの売り方に注意することです。
オーバーローンとは住宅ローンの残りが売却額を上回っている状態のことです。
オーバーローンで不足分を自己資金で返済できない場合は通常の売却が行えません。
そのため、任意売却を行う必要があります。
任意売却は債権者と交渉して住宅ローンの残りを圧縮処理するという方法です。
しかし、任意売却ではローンを完済したことにはならないため、信用情報機関のブラックリストに入ってしまうというデメリットがあります。
ブラックリストに入ってしまうとクレジットカードを作ったり、融資を受けたりすることが一定期間できなくなるので注意が必要です。
□離婚後にマンションを売却するときにかかる税金と諸費用
マンションを売却した際にかかる費用は売却総額の約4パーセントと言われています。
決して少ない額ではないので財産分与にも影響することがあります。
そのため、どういったお金がどれだけかかるのかを知っておく必要があります。
ここではそれらについて説明します。
まずは税金についてです。
1つ目は、印紙税です。
契約金額によって税率が変わります。
例えば、500万円以上で1000万円以下のものには本則税率が1万円かかります。
1000万円以上で5000万円以下のものには本則税率が2万円かかります。
他にも金額によって本則税率が変わるので確認が必要です。
2つ目は、登録免許税です。
売却するマンションのローンを完済して売却する場合はマンションの抵当権を抹消する必要があります。
一般的には司法書士に委託することが多いですが、委託するためにも費用が別途でかかります。
登録免許税は不動産1物件当たり1000円で、マンションの場合は建物と敷地を別々に数えるので2000円かかります。
また司法書士の報酬は1万円前後です。
3つ目は、譲渡所得税です。
譲渡所得税の税率は所有期間によって異なります。
所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得とみなされ、39.63パーセントの税率がかかります。
一方で所得期間が5年を超える場合は、長期譲渡所得とみなされ、20.315パーセントの税率がかかります。
続いて諸費用について説明します。
1つ目は、仲介手数料です。
仲介手数料はマンション売却の際にかかる最も高額な出費です。
契約金額によって報酬額が変わります。
200万円以下の場合は5.5パーセント、200万円以上で400万円以下の場合は4.4パーセント、400万円を超える場合は3.3パーセントです。
2つ目は、引っ越し費用です。
引っ越し費用は夫婦間の合意によって変わるため、ご自身でしっかりと確認しておきましょう。
□まとめ
今回は離婚でマンションを売却しないことのリスクと売却の注意点、マンションを売却する際にかかる税金と諸費用についてご紹介しました。
離婚する際には、どういったお金がかかるのかを確認しておくことで、安心できます。
熊本市周辺で資産処分をご検討の方はぜひ当社までご相談ください。